有限会社ビューイット

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1.ビューイット撮影会の本来の趣旨

     
前へ=1-3ピア効果
     
後ろへ=1-5私が撮影会に参加しなくなった理由


1-4 私が撮影会に参加するようになった理由

二十歳の私は悩んでいた。
18歳でポートレート撮影を始めて2年目。すでに自分のポートレートに行き詰まりを感じていた。
私は友達(主に中央大学の女子学生)をモデルに1人で撮影していた。
私の友達はポートレートに関しては素人だけど、せっかくモデルになってくれるのだからキレイに撮影してあげたい。
それからカメラを買う前の中学生の時から学研のカメラ雑誌『CAPA』を読んで身に着けたポートレートテクニックを実践したい。
当時はコンパクトカメラが主流で一眼レフカメラは珍しかった。
そんな状況で私は一眼レフカメラ、レフ板を使用して、『CAPA』で勉強した通りに撮影したらモデルに喜ばれた。
モデルからは「素敵、綺麗に撮ってくれてありがとう」と喜ばれた。
男性の友達からは「こんなに可愛いガールフレンドがいて羨ましいな」と言われたことも嬉しかった。
自分自身が褒められるよりもモデルのことを褒めてもらえる方が嬉しい。

だけどポートレート撮影を始めて2年経つと自分の行動に疑問を持つようになった。
カメラを買ってポートレート撮影を始めたのは18歳(高校3年の春休みに初めてのアルバイトでカメラとレフ板を買った)
実際にポートレートに興味を持ったのは中学3年生の時、仲が良い友達が写真部員だったので彼と会うために写真部の部室に時々遊びに行っていた。
その彼から「いまはこういうポートレートが流行っているのだよ」と教わったのが篠山紀信先生の『激写』、衝撃を受けた。
激写にはアイドルの私服や水着写真が載っていたけど、基本は公募で集めた素人女性のヌードという当時としては斬新な企画だった。
小学館という大手出版社が発行するGOROという雑誌の巻頭グラビアで大人気だった。
私はヌードに対して、人気が落ちた芸能人がお金のために仕方がなくモデルをやるもので「可哀想」という偏見を持っていた。
しかし、『激写』には悲壮感が一切ない。それどころか幸せな未来しか見えてこない。モデルに対して愛おしいという気持ちさえ湧いてくる。
これって恋愛感情です。私だけの現象ではなく、編集部には全国から素人モデルへのファンレターがたくさん届いていた。
ポートレートって凄い。
これが私がポートレートに興味を持ったきっかけです。
ただカメラを持っていないので、高校生の時はGOROを購入、篠山紀信先生の講座が載っているCAPAも購入、篠山紀信先生が表紙と巻頭グラビアを担当する週刊朝日は市立図書館で読んでいた。
GOROには渡辺達生先生の『素足のアイドル』も掲載されていた。
こちらは当時バリバリのアイドルたちが、幸せそうに楽しそうにキャピキャピと遊んでいるようなポートレートが掲載されていた。
こういうの大好き。

就職することが難しい大手新聞社や大手出版社から依頼を受けて人気女優や人気アイドルを撮影してお金を貰えるプロカメラマンが羨ましい。
私もプロカメラマンみたいなポートレートを撮りたい。
篠山紀信先生の『激写』や渡辺達生先生の『素足のアイドル』みたいな幸せそうな女性が楽しそうにキャピキャピと楽しそうに遊んでいるようなポートレートを撮りたい。

※あたりまえのことだけど、プロとアマチュアの違いはクライアントがいるかいないかの違いです。
そして「お金を払ってカメラマンの作品作りに協力したい」などというクライアントはいません。
「お金を払うからうちのタレントを魅力的に撮影しろ」とクライアントは依頼するでしょうね。
そしてプロカメラマンならクライアントの意向に沿った撮影をするでしょうね。

ところが『激写』や『素足のアイドル』を意識した撮影をしているのに、どうしても自分が撮影したポートレートはモデルが仕事をしているように見える。
これが第一の悩み
第一の悩み 「自分が撮影したポートレートのモデルは仕事をしているように見えて仕方がない。本当はプロカメラマンみたいなモデルが幸せそうに楽しそうに遊んでいるようなポートレートを撮りたい」

第二の悩み 前述のとおり「1人で撮影しているけど本当は大勢のカメラマンと一緒に撮影したい」

第三の悩み 前述のとおり「モデルに指示を出しながら撮影しているけど本当は指示を出したくない。それよりもモデルにリードしてもらいたい」

私は元々読書好きなのですよ。
黙って本を読んでいるのが好き、新聞を読むのも好きだし、百科事典を読むのも好き。
大勢の観客に混じって映画を観たり、演劇を観たり、ライブを観たり、スポーツイベントを観ることも好き。
そのとき私はずっと黙って、演者のパフォーマンスに注目している。
そして演者のパフォーマンスに合わせて大勢の観客と一緒に笑ったり、驚いたり、感心したり、飛び跳ねたり、叫んだり、場合によってはWAVEをしたりするのが好きなのです。
それから学校の授業を受けるのも好きなのです。黙って先生の話を聴いて覚えて解答用紙に再現してテストで100点を取るのも好きなのです。
社会人になってからもお金を払ってパソコンやビジネスの講習会に参加していました。黙って講師の話を聴いているのが好きなのです。
スポーツクラブに行ってインストラクターの動きに合わせて全員一緒にエアロビクスをするのも好きなのです。
だから撮影会でも同じことをしたかった。
カメラを構えたままモデルのパフォーマンスに注目していたい。そしてモデルのパフォーマンスに合わせて大勢のカメラマンと一緒に撮影したい。

3つの悩みを解決するためにはお金を払って撮影会に参加するしかなかった。
第二第三の悩みは全東京写真連盟撮影会など大撮影会に参加して解決できた。
第一の悩みはレースクイーン撮影会に参加することで解決できた。