大勢の人が喜んでいる、楽しそうにしていると自分もつられて楽しい気持ちになる。
これをバンドワゴン効果と言います。
バンドワゴン効果の説明
テレビ番組ではバンドワゴン効果を頻繁に利用しています。
プロ野球中継では、ホームランを打ったバッターがホームに戻ってくると他の選手全員で出迎えて喜んでいる場面が映り、続いて観客席で喜んでいるファンたちの姿が映し出されます。
サッカーも同様で、ゴールシーンの後は、ゴールを決めた選手を中心に他の選手たちが喜んでいる場面が映り、続いて観客席で喜んでいるファンたちの姿が映し出されます。
お笑い番組でも、楽しそうに笑っている観客席の人々が度々映し出されるし、音楽番組でも楽しそうにしている観客席の人々が映し出されます。
あれは、1人で喜んぶよりも大勢で喜んだ方が嬉しいというバンドワゴン効果を狙っているのです。
1人でテレビを観ていても、そこに喜んでいる大勢の人が映し出されれば、自分自身も大勢の人と一緒に喜んでいるように錯覚します。
ホームランの場面だけ映されて、テレビの前で1人で喜んでいるよりも、観客席で大勢の人が喜んでいる姿が映し出された方が視聴者も楽しい気持ちになれるということです。
しかし、バンドワゴン効果の有効性が分かっていても観客席ばかり映すことはできません。
そこで近年の番組では、出演者の後ろに観客席があります。
VS嵐
観客たちは出演者の後ろにいて、出演者の後ろ姿を観ているのです。
考えてみたら変だし、不自然ですよね?
でも、このやり方をすれば、出演者が何か喋ったり、なにかの動作をして、喜んでいる大勢の人が同時にテレビに映し出される。
1人または少人数でテレビを観ている視聴者は、大勢の人が笑ったり、楽しそうにしているのを観て、自分も笑ったり、楽しい気持ちになります。
VS嵐の観客が金を貰って出演しているエキストラなのか、本当の観客なのかわからないけど、金スマの観客は金を貰って出演しているエキストラでしょう。
赤い服を着た大勢の若い女性が出演者の後ろに座っていますね(赤色は観る人の気持ちを興奮させる色)
私もプロダクションにいた時に観覧の仕事をしたことがあります(厳密にいうと少し違うかもしれない)
深夜のバラエティ番組で放送された。
今でいう地下アイドルの日常を追ったドキュメンタリーで、私は地下アイドルの誕生パーティに集まった熱心なファンという役柄でした。
誕生パーティには30人ぐらいのファンが集まっていたけど、実際は全員がプロダクションから派遣されたエキストラです。
この時のギャラを覚えていないけど、仮に交通費込みで5000円としたら30人で15万円。
当然プロダクションにも金が支払われるので、
合計で30万円は下らないでしょう。
金スマで、出演者の背後にいる赤い服を着た女性たち全部でどれだけギャラが支払われているかわからないけど、もっと高いと思う。
つまり、制作会社からすると、バンドワゴン効果は金を払っても手に入れたいのです。
これは撮影会にとっても同じ、たくさん撮影してくれるカメラマンを雇いたいぐらいです。
同じ人数のカメラマンを集めていても、人気モデルと人気がないモデルではシャッター音がまるっきり違います。
人気があるモデルは、カメラマンの撮影意欲をコントロールしているので、カメラマンはほとんど同時にシャッターを押します。
→シャッター音が大きく聞こえる
一方人気がないモデルは、1人ずつ順番に撮影するのでシャッター音がまばらにしか聞こえません。
撮影しているカメラマンは楽しくても他のカメラマンは楽しくない。
そして、カメラマンが一斉にシャッターを押しているモデルの方は人気が長持ちします。
それは団体撮影会でしか味わえないことだからです。
それに対して、カメラマンが1人ずつ順番にシャッターを押しているモデルの方は人気が長持ちしません。
だって、団体撮影会に参加する意味がないからです。
撮影会では次から次へと新人モデルがデビューします。
当然だけど、たいてい新人モデルの方がギャラが安いので参加費も安くできます。
新鮮味も新人モデルの方があるので、新人モデルと同じことをしていたら、カメラマンは新人モデルの方に行ってしまいます。
あるいは、無料で撮影できるフリーモデルに負けてしまいます。
どんなに優秀なカメラマンでも個人撮影ではバンドワゴン効果は発生しません。
どんなに美人で優秀なモデルでも個人撮影でバンドがワゴン効果を発生させることはできません。
バンドワゴン効果を発生できるのは(撮影会では)団体撮影会だけの特権なのです。
ハロウィンでは仮想した人が渋谷に大勢集まります。
あれも1人で仮想するよりも大勢で仮想した方が楽しいというバンドワゴン効果です。
同人誌即売会やコスプレイベントに大勢のコスプレイヤーが集まるのも、1人でコスプレしているよりも大勢でコスプレをした方が楽しいというバンドワゴン効果です。
バンドワゴン効果を嫌いな人、大勢で行動することが嫌な人は元々団体撮影会には参加しません。
団体撮影会に参加するのは、大勢で行動することが好きな人、あるいは大勢で行動することに抵抗がない人のどちらか、あるいは両方です。
正直に言うと、カメラマン自身の作品作りのためなら団体撮影会は個人撮影に負けます。
むしろ撮影会に参加しないほうが良いぐらいです。
団体撮影会に参加するカメラマンは共同作業をしたい。
他の人と一緒に撮影したいのだと思って構いません。
だから、同時にシャッターを押させるとカメラマンたちは喜びます。
リピーターになってくれます。
ただ低いレベルのカメラマンに基準を合わせると、上級レベルのカメラマンが逃げていくので注意してください。
団体撮影会に参加するカメラマンは他のカメラマンとの共同作業を望んでいる。
バンドワゴン効果を利用してカメラマンの撮影意欲をコントロールして、カメラマン全員に共同作業させよう。