プロダクションからは仕事の案件が送られてくると共にワークショップの案内も送られてきます。
ワークショップとはプロダクションに対して受講料を払って受ける研修会のことです。
このワークショップで1番印象に残っている話をします。
講師は、演技をしているように見えるのが1番いけない。
仕事をしているように見えるのが1番いけないと言った後、
トム・ソーヤ―のペンキ塗りの話をしました。
トム・ソーヤ―のペンキ塗りの説明
いたずらをして叔母さんに叱られたトム・ソーヤ―は罰として塀のペンキ塗りを言いつけられる。
本当はペンキ塗りをやりたくないトム・ソーヤ―はわざと楽しそうにペンキ塗りを始めた。
すると、それを観ていた友達が自分にもペンキを塗らせてくれと言ってきた。
叔母さんに叱られるという理由で一旦断ると、友達はプレゼントを持ってきた。
トム・ソーヤ―がプレゼントを受け取り、ペンキを塗ることを許可した。
それを観た他の友達も次々とプレゼントを持ってきて自分にもペンキを塗らせてほしと頼んできた。
こうしてトム・ソーヤ―はペンキ塗りをさぼることができ、同時にたくさんのプレゼントを受け取ることができた。
講師は言っていました。
「人気者になりたければトム・ソーヤ―のペンキ塗りを実行しろ、人気者は全員トム・ソーヤ―のペンキ塗りを実行しているぞ!」
長寿番組で視聴率も高い日本テレビの『笑点』の看板コーナー『大喜利』では落語家たちが楽しそうに遊んでいるように見える。
同じく日本テレビの『鉄腕ダッシュ』や『世界の果てまでイッテQ』という番組でも出演者が楽しそうに遊んでいるように見える。
フジテレビの『VS嵐』ではスーパーアイドルグループの嵐がゲストたちと遊んでいるように見える。
プロ野球やJリーグでは得点場面の後で、選手同士が抱き合ったり、ハイタッチしたり、並走したり、楽しそうに遊んでいるように見える。
ディズニーランドのミッキーマウスは楽しそうに遊んでいるから大勢の観客を集めているけど、あれは本当は重労働だと思うよ。
全員楽しそうに遊んでいるから大勢の観客や視聴者を集めているけど、本当は全員が仕事をしているのです。
テレビコマーシャルではトム・ソーヤ―のペンキ塗りは頻繁に利用されています。
ミノルタ ヤマサ キリン カルピス
コカ・コーラ ポカリスエット
バーモンドカレーのCMは昔からトム・ソーヤ―のペンキ塗りです。
バーモンドカレー 1982 バーモンドカレー2019
不特定多数の人の前に突然現れるテレビCMは商品を宣伝するものなので、視聴者に嫌悪感を与えてはいけません。
テレビCMでトム・ソーヤ―のペンキ塗りが多用されるのは、それが多くの人に好感を与えるからです。
2018年の流行語大賞は、平城オリンピック、カーリング日本代表にちなんだ「そだねー」でした。
競技中にお菓子や果物を食べながら行う作戦タイムが『もぐもぐタイム』として人気になりました。
仲良し同士が楽しそうにしているけど、あれは本当は協議中なのです。
つまり偶然だけどトム・ソーヤ―のペンキ塗りを実行してしまった。
そうしたら人気が出て、ソフトバンクのTVCMにも起用された。
テレビの中にはトム・ソーヤ―のペンキ塗りが溢れています。
人間はトム・ソーヤ―のペンキ塗りが大好きなのです。
ところで、現実の世界であなたの周りにトム・ソーヤ―のペンキ塗りを実行している人はいますか?
職場でも、日常生活で利用する駅やスーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院、学校などで働いている人を見かけるけど、遊んでいるように見える人はいない。
テレビの中ではなくて、現実世界でトム・ソーヤ―のペンキ塗りを実行している人を見るためには、お金を払って、ディズニーランドやコンサート、プロ野球、Jリーグなどに行かなければなりません。
トム・ソーヤ―のペンキ塗りにはお金を払うだけの価値があるのです。
撮影会もその1つ。
参加するカメラマンたちは、平日は職場で働いています。
また一生懸命に仕事をしている女性を毎日見ています。
せっかくの休日にお金を払って撮影会に参加してくれるのだから、モデルの皆さんはしっかり仕事をするけど楽しそうに遊んでいる風に振る舞ってください。
勿論、撮影会の主催者はモデルの皆さんが楽しそうに遊んでいるように振る舞えるような環境を用意します。
楽しそうに遊んでいるように振る舞うためには、着ている服装や表情も大切ですが目線配りも大切です。
カメラマンが撮影し終えてから目線を動かしているとモデルは仕事をしているように見えます。
仕事をしているように見えるのが1番ダメです。
必ずカメラマンが撮影し終える前に目線を動かしてください。
例外はカメラマンが2秒以内に撮影を終えたときのみです。
しっかり仕事をするけど、楽しそうに遊んでいるように振る舞う(友・ソーヤーのペンキ塗り)