有限会社ビューイット

研修トップへ/=目次へ

2.ビューイット撮影会の経営方針

     
前へ=2-2.差別化戦略とマーケットイン
     
後ろへ=2-4.ピア効果2


2-3 ビューイット撮影会の差別化戦略

カフェと同様に撮影会も差別化戦略により顧客を限定したら、その顧客の需要に合わせた準備をしないといけません。 顧客の需要により撮影会が用意するものが変わってきます。

【カメラマンの作品作りに協力する撮影会】

この場合の顧客は「作品作りをしたいカメラマン」です。 カメラマン達はモデルを魅力的に撮影してモデルを褒めてもらうよりも、自分が撮影した画像を褒めてもらいたいと考えています。 モデルが魅力的に見えて自分が撮影した画像の存在感が薄れるのを嫌がる傾向があります。 ※別の機会に説明しますが、ウインザー効果が発生していないため作品作りのカメラマンに撮影されたモデルは人気が出ない傾向があります。 また「他人が指定した場所では撮影したくない。他人がつけたポーズは撮りたくない。全部自分で決めたい」という傾向があります。 (コスプレカメラマンにはこれが多い) だから個人撮影会にせざるを得ません。
この場合はカメラマンがモデルをリードすることになるのでモデルには高い技術が要求されません。
モデルはカメラマンの指示通りに動いてカメラマンの作品作りに協力することになります。
つまり誰でもモデルになれます。
モデルに対する思い入れが全くないので、モデルに対する扱いが雑になる傾向があります。
また他のカメラマンや撮影会スタッフに対する態度が悪い傾向があります。 モデルに対して技術を求めません。
だからモデル側からすると新規参入が簡単なので価格競争になりやすい。
特に今は撮影会に所属せず、全く未経験の素人が1時間2000円などでSNSを通じてカメラマンを募集しています。
ビューイット撮影会では価格的に太刀打ちできません。

【デート目的の撮影会】

この場合の顧客は「モデルとデートをしたいカメラマン」です。 カメラマンはほとんど撮影しないし、ポートレートの知識もありません。 撮影するよりも、モデルと1対1でお喋りをする。モデルと1対1でお茶する。とにかくモデルと2人切りになりたがります。 この場合も個人撮影会にせざるを得ません。
カメラマンが撮影以外でモデルをリードすることになるのでモデルには高い技術が要求されません。
そもそもカメラマンはほとんど撮影しません。 高い技術よりも容姿が重要になります。
会場は、浅草、川越、代官山、六本木、鎌倉、みなとみらいなどの観光地・デートコースになります。
観光地・デートコースなので人がいっぱいいます。その代わりオシャレなカフェもたくさんあります。
最初に数分間個人撮影をしたらオシャレなカフェに入ってお茶しながらお喋り。
撮影するよりもモデルとカメラマンのお喋りの時間の方が長くなります。


【ビューイット撮影会の場合】

ほとんどの撮影会は団体撮影会です。
カメラマンはモデルに指示を出せないし、モデルと1対1でお喋りをすることができません。
そもそもモデルとカメラマンが2人切りになること自体がありません。 なるべく人がいない会場を利用しているのでオシャレなカフェなどありません。
集合時間がやたらと早いのも特徴で、午前9時30分集合も珍しくありません。
これはモデルの方が主役でモデルがパフォーマンスの発揮しやすいように人が少ない会場、人な少ない時間帯を選んで開催しているからです。
カメラマンは高いポートレート技術をもっていてもモデルに指示を全く出しません。
ビューイット撮影会に参加しているカメラマンは「モデルのパフォーマンスを楽しみたい」のだから自分がモデルに指示を出すことが他のカメラマンの邪魔になることを知っているからです。
基本的に出演しているモデルのことを好きだから撮影会に参加しています。
だから作品作りよりもずっと大切なものがあります。
それは
・モデルの邪魔をしないこと
・モデルに迷惑をかけないこと
・モデルを悲しませないこと
です。
参加するカメラマンは全員が出演しているモデルを好き(少なくとも興味がある)なので、モデルの邪魔をしたり、迷惑を掛けたり、悲しませることを嫌がります。
だからモデルに対しても、他のカメラマンに対しても、撮影会スタッフに対してもとても丁寧に接します。
これはレースクイーン撮影会に参加するカメラマンと共通の項目です。
レースクイーンたちは所属事務所の指示で展示会のブースで働くことが多い。展示会ごとに違うブースで働きます。
派遣先のブースの人に対して粗暴な態度をとったり、就業規則を守らないと仕事がなくなるし所属事務所にも迷惑をかけることになります。
だからレースクイーンたちは派遣先のブースの人に対して気を遣うし、就業規則を守り派遣先の人の指示を守って働きます。
レースクイーンの勤務態度が良くても、ファンがブースの人を怒鳴りつけたり、ほかの客と口論をしたりすると、レースクイーンに落ち度がなくても仕事がなくなります。
それが分かっているからレースクイーンのファンたちは派遣先の人や他の客に対してとても丁寧に接します。
これは展示会ではなくて撮影会でも同じです。
レースクイーンのファンのカメラマンたちは撮影会スタッフに対してとても丁寧。他のカメラマンに対してもとても丁寧に接します。
撮影会を終えた後、駅でモデルとカメラマンが偶然会った場合、ビューイット撮影会に参加するカメラマンは次の行動をします。
「お疲れ様、今日は楽しかったです。次回も参加します」
と言って頭を下げて通り過ぎて隣の車両に乗ります。
モデルのことを好きだから撮影会で疲れているのに自分のことで気を遣わせたくないと考えるのです。

ビューイット撮影会は団体撮影会なので、カメラマンはモデルに指示を出せません。
モデルと1対1になれないから、モデルと2人切りでお喋りをすることができないし、お茶することもできません。
【作品作りのカメラマン】や【デート目的のカメラマン】にとっては全く魅力がありません。
今は素人モデルがSNSを通じて1時間2000円で個人撮影のカメラマンを募集している時代です。
またコスプレイヤーズアーカイブというコスプレのサイトでは毎日たくさんのコスプレイヤーがカメラマンを募集しています。無料で個人撮影をできます。
古いデータですが私は2012年にカメラマンに応じて2回(1人目はコスプレイヤー1人、2回目は2組のコスプレイヤーがカメラマンを募集していたのでコスプレイヤー2人)と無料で個人撮影しました。
私がカメラマンとして採用されるまで凄く簡単でした(10年以上前の話なので今は違うかもしれない)
つまりビューイット撮影会よりも安く撮影する方法はたくさんあるのです。
それでもビューイット撮影会に参加してくれるカメラマンがいるということは何かビューイット撮影会に魅力を感じているからです。

その魅力が【ピア効果】です。
逆に【ピア効果】以外にビューイット撮影会にどんな魅力があるのか?何もないと思う。

作品作りやデートは個人撮影の方が絶対的に有利です。
個人撮影で提供できるサービスを団体撮影会で提供しても意味がないし、個人撮影よりも劣化したサービスしか提供できません。
団体撮影会では個人撮影会で提供できないサービスを提供しないと意味がありません。
それがピア効果です。

ピア効果=能力や意識の高い仲間が同じ環境に集まり、お互いに切磋琢磨し合うことで、集団のレベルアップとともに個々の成長に相乗作用をもたらす効果
作品作りやデートは個人撮影会でもできますが、個人撮影会では絶対にピア効果を得ることができません。
だからビューイット撮影会が提供するサービスはピア効果です。