私は若いころ、プロダクションに所属して、エキストラだけど 映画やテレビドラマや企業のプロモーションビデオや研修ビデオに出演していました。
観覧の仕事をしたこともあります。

プロダクションからは宣材撮影の時の服装や髪型について次のように指導されました。

冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、エアコンなどの家庭電化製品は老若男女幅広い人が購入するからカタログに登場するモデルも老若男女幅広い人に好印象を与える髪型や服装をしている。
宣材撮影に臨む際は家庭電化製品のカタログに登場するモデルの髪型や服装を参考にしなさい。

映画にしてもテレビドラマにしても広告の仕事にしても、最初に行われるのは書類審査です。
「表情が良い、演技力がある、アクションにも対応できる」などの特長があっても、書類審査で落とされると先に進めない。
そして書類審査で高い比重を占めるのが宣材写真です。
この宣材写真は役柄に応じて差し替えたりしません。
使いまわしです。
対照的な役柄の募集が同時に来ることも普通にあります。
私は２０代前半の男性だったので、高校を舞台にしたドラマなら教師役と生徒役 刑務所を舞台にしたドラマなら看守役と囚人役という具合です。
様々な役柄に対応できる服装や髪型で宣材撮影に臨む必要があります。
採用するかどうかの決定権は制作会社にあるので、制作会社に気に入ってもらわなければいけません。

広告の場合は採用するかどうかの最終決定権は広告主になります。

広告は２種類あって、
１つは商品の魅力を伝えるもの
もう一つは、商品を購入・利用することによって幸せになりましたというイメージ広告

だから当然、不幸せに見える人は広告には採用されません。
具体的には、
頭が悪そう、陰気、不健康、不潔、下品は絶対にダメです。
それから、重たいもダメです（原子力や土木など一部を除く）

さて、家庭電化製品のカタログに登場するモデルを参考にしなさいとプロダクションから指導された私は早速家電量販店に行ってカタログを集めてきました。
今ならインターネットで自宅に居ながら家庭電化製品のカタログに登場するモデルの服装や髪型をチェックすることができます。

例えば、日立は大人気グループ・嵐を採用しています。　　　　日立１　　日立２

・知的（馬鹿には見えない）
・明るく（陰気には見えない）
・健康的（病的には見えない）
・清潔感がある
・上品

付け加えると、シンプル、爽やか、軽やか、それから自然。

高校生にも見える、大学生にも見える、社会人にも見える。
独身にも見える、既婚者にも見える、子供がいる親役もできそう。
社会人なら、サラリーマン、医者、刑事、弁護士と色々とできそうだし、悪そうな格好をさせれば不良ややくざ役もできそう。

三菱電機も同じ傾向です。（高校生は無理としても、色々な役柄ができそう）　　　　三菱電機

こういうのが良いのです。
採用するかどうかの決定権は制作会社それから広告主にあります。
一度も会ったことがない制作会社、広告主に気に入ってもらえる、好きになってもらえないと仕事を貰えません。
そして、制作会社も広告主も様々です。
制作会社ならドラマ、バラエティ、教養番組、ドキュメンタリーなど様々だし、
広告主も役所、遊戯施設、学校、教育、医療、メーカーと様々で、メーカーでも自動車、化粧品、家庭電化製品、パソコンなど様々です。
様々な制作会社や広告主に好印象を与える髪型や服装で宣材写真を撮影する必要があります。
もう一つ重要なのは、制作会社や広告主と１度も会ったことがない話をしたことがないということです。
同じ制作会社や広告主の仕事を繰り返し受けることもありますが、それだけだと仕事の量も幅も増えません。
なにしろ、会ったことがある制作会社や広告主よりも、会ったことも話をしたこともないがない制作会社や広告主の方が圧倒的に多いのです。

これは撮影会モデルにも当てはまります。
撮影会に参加するカメラマンの好みは１つではありません。
大人っぽい綺麗なモデルが好きなカメラマンもいれば、子供っぽい可愛いモデルが好きなカメラマンもいるし、色っぽいモデルが好きなカメラマンもいます。
また、大人っぽい綺麗な部分、子供っぽい可愛い部分、色っぽい部分それぞれを撮影したいと考えるカメラマンもいます。
それぞれに対応できる服装や髪型で出演して、表情やポージングで大人っぽい綺麗な部分、子供っぽい可愛い部分、下品にならない程度で色っぽさ表現しましょう。

もう一つ重要なのは、モデルが会ったことがあるカメラマンよりも、会ったことがない話をしたことも撮影されたこともないカメラマンの方が圧倒的に多いということです。
良いパフォーマンスをして、撮影会に参加しているカメラマンに好きになってもらうことも大切ですが、それと同じぐらいか、それ以上に、一度も会ったことがない話をしたことがないカメラマンに好きになってもらうこと、好きにさせることが大切です。

撮影会で良いパフォーマンスをして、参加したカメラマンに喜んでもらう、良いポートレートを撮影させて終わりではありません。
撮影会に参加したカメラマンのＳＮＳに、不特定多数の人に好印象を与える画像（家庭電化製品のカタログに登場するモデルみたいな）を掲載させて、それを観た人に好印象を与えて、撮影会に参加させること。
新規ファンの獲得に努めることが、人気を長持ちさえる秘訣です。

橘ほのかさんと面接をしたのは１月２３日でした。
その時の服装も良かったけど雨で良い宣材画像を撮れなかったので後日撮り直しをすることにしました。
面接のときは家庭電化製品のカタログの話をしたら、宣材画像の撮り直しをした１月３１日には更に良い服装で来てくれました。
知的で、明るく、健康的で、清潔感があって上品で、とても良いです。
そのまま家庭電化製品のカタログに使えそうです。
最初はポニーテールでしたが、終わりごろに私からお願いをして髪を下ろしてもらいました。
その方が家庭電化製品のカタログに登場するモデルみたいだからです。
橘ほのかさんは快く髪型を変えてくれました。

こういう人は信用できるし期待できます。

他の撮影会の代表にはプロカメラマンとして撮影をする側で仕事をしてきた人がいます。
それに対して、ビューイット撮影会の代表は芸能界出身で、撮影される側で仕事をしてきました。
私はプロダクションから教わったことをモデルたちに教育しています。