有限会社ビューイット

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ゲインロス効果          百瀬絵麻
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ビューイット撮影会が会社なのは、レースクイーン事務所(会社)からレースクイーンを派遣してもらうことを前提に設立したからです。
会社(ビューイット撮影会)と会社(レースクイーン事務所)の付き合いにしたかったので、会社を設立しました。
モデルを育てることを全然考えていなかったのです。
でも現実のビューイット撮影会はモデルを育てることに熱心になっています。
モデル希望者の面接と宣材撮影は、できる限り撮影会と同じ日に同じ会場で行うようにしています。
そしてモデル希望者には契約の前に実際の撮影会を見学してもらい、同時にカメラマンとの顔合わせをしてもらいます。
ポージング研修は交通の便が良い都心で参加費を極力抑えておこないます。とにかくカメラマンに参加して欲しい。
それから先輩モデルの撮影会でスタッフを務めてもらい、先輩モデルの動きを勉強するとともにカメラマンとの顔合わせを行います。
こうして、ビューイット撮影会の常連カメラマンとの顔合わせを済ませてからデビュー撮影会となります。
デビュー撮影会または2回目の撮影会の時はモデルが動きやすいように撮影ポイントが多い会場を選びます。
今回は百瀬絵麻さんの2回目の出演(研修とスタッフを含まない)なので、僕の自宅から遠いけど魅力的で、モデルにとっては簡単な会場で開催することにしました。
しかも団体撮影会の前に個人撮影を組んで、個人撮影の時間帯に僕が会場を下見して最適な撮影コースをつくるという念の入れようでした。
サツキやバラが咲いていて華やかで、しかも建物などを利用して変化も付けられる魅力的ない会場で百瀬絵麻さんにはのびのびと動いてもらおう。

ところが下見をしている間に僕は頭を抱えてしまいました。
連日、7月並みの夏日が続いたため、バラやサツキはぐったりと元気がない。
特に日向のサツキが全滅状態。
まだ蕾がたくさんあるのに、花が萎れているのは暑さのせい。
こんなに難しい会場にデビュー間もない新人モデルの撮影会を開催しなければならない。
しかも当日は暑すぎて、僕の頭も働かない。
とりあえず、日陰のサツキは数は少ないけど元気だし、暑さ対策のためにも日陰での撮影を多くすることを決めて、あとは成り行きに任せるしかない。
経験が乏しい絵麻さんが動けなくなったら僕が懸命にサポートしよう。

不安を抱えながら団体撮影会を開始。
サツキが満開だったら省略してしまう場所で開始したのは撮影場所を増やしたかったから、もし盛り上がらなかったら早めに移動しよう。

ところが、絵麻さんの多彩な表情によって、団体撮影会開始当初から盛り上がってしまい、最終的には撮影時間が足りなくなってしまいました。

それを見ながら僕は、絵麻さんはゲインロス効果を使えるようになったんだと驚きました。

ゲインロス効果についての説明

プロ野球に例えればわかりやすいかな。
剛速球を投げるエースとは限らないし、たくさん勝てるわけではありません。
どんなに早い速球でも、そればかりだとバッターも目が慣れてしまい、打たれてしまいます。
遅い球も混ぜて、緩急をつけた方がバッターに打たれにくい。
速球派のピッチャーでも遅い球を混ぜた方が速球が活きてくる。

映画がテレビドラマでも派手なアクションの連続だと観客は飽きてしまいます。
笑える場面、人間ドラマ(恋愛、友情、対立、嫉妬など)、熱い場面、とぼけた場面を組み合わせた方が観客は飽きない。
テレビドラマの方の『踊る大捜査線』が典型的かな。

撮影会も同じで、ずっと笑顔だとカメラマンも飽きてしまいます。
時々、真顔を差し込むことで笑顔が活きてきます。

ゲインロス効果を上手く使えるようになると、会場の魅力に頼らないでカメラマンをリードできるようになります。
つまり、花や紅葉がない時期でも安心して撮影会を企画できるようになります。


6月11日9時50分更新